CD「津軽三味線 高橋竹山」のパッケージと帯。
パッケージはプラケースではなく厚紙で、CDの収納部分(通常のプラ製)と解説書が一体になっているコンパクトな形式です。
CDの内容は、
- 1973年発売の「津軽三味線 高橋竹山」
- 1967年発売の「東北民謡 おらほの唄こ/津軽篇」
と、2枚のLPアルバムが初出とのこと。
また解説書も、「LP初出時のものを、そのまま転載」しているとのことです。
その解説書には他に、CDの収録方式「xrcd2」の説明ページも掲載されています。
内容は正直、私には何が何だかさっぱり判りませんが、CDの音質については、私がこれまで聴いてきたCDとは、確かに一味違う印象です。
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今回このCDを買ったのは、運動科学者・高岡英夫氏が著書(身体意識から観る天才学)の中で、初代・高橋竹山氏を絶賛されていたことがきっかけでした。
ただ、私は高岡氏の理論には一目も二目も(というより百目くらい)置いていますが、それと音楽の好みは全く別の話。
加えて三味線については、私は全く知識がありませんが(今もほぼ何も知らない)、以前にテレビCMで若手演奏家の演奏を聴いた際、音が軽い印象でどうにも好きになれませんでした。
そのため、今回のCDも期待半分・疑い半分で購入し(※2016年8月に楽天ブックスで購入)、商品が到着して早速聴いてみたところ・・・
最初の一音目で「ん?」、その後数秒で「んー!?」となりました。
というのは、まず曲が云々の以前に、三味線の音色自体に確かな重量感・存在感があり、音が文字通り「身体の芯(胸の奥)に響く」感覚があったからです。
高岡氏が著書で述べている「まさに巨大な重量体である地球が鳴っているように」とまで見抜く(聴き抜く?)ことは現状の私にはできませんが、失礼ながら単なる楽器の音が、自分の深くまで響くということが実際に有り得る、というのは大きな驚きでした。
そして、この自分の中への「響き」は非常に心地良く、CDを再生するとついつい聴き入ってしまいます。
・・・もっとも、あまり持ち上げるのも胡散臭いので、私と同じように三味線にもともと興味も関心も無いものの「これから試しに聴いてみようか」と考えている方には、「ほんとかよ」と疑いつつ聴き始めるぐらいが、丁度良いかと思われます。
CDの内容については、先述の通り数十年前のLPアルバム2枚がまとめられたもので、前半11曲が「独奏篇」、後半7曲が「伴奏篇」。
「独奏篇」ではその名の通り、竹山氏の三味線のみをひたすら堪能できます。
対して後半の「伴奏篇」は、他の奏者の楽器や唄が合わさっているので、「竹山氏の三味線の音のみを味わいたい」という場合には、誠に失礼ながら向かないかもしれません。
しかし、唄の歌詞やかけ声はとてもユニークで印象に残るものであり、この作品群から、竹山氏を輩出した環境(東北の地や、そこに受け継がれてきた民謡という文化)に思いを馳せる、という楽しみもできると思います。
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