「東方Project」の弾幕シューティングゲームを遊ぶようになって、ゲームだけでなくキャラクター等にも魅力を感じるようになったので、関連書籍を購入してみようと思い、その1冊として「東方儚月抄」上巻を購入しました。
表表紙は主人公2人組。
帯は銀色で、ゲームのボス戦表示を模した「Bonus」「history」の表示があります。
「histry 6/7」との記載はどうやら、この本が第何刷めなのかを表しているようです。
(私が購入したのは第7刷だった)
裏表紙は、若干デフォルメ気味に描かれた「紅魔館」の3人。(今作品のストーリー(騒動)の中心に関わる面子)
メイドの咲夜さんが見守っている感じに、何かほっとするものがあります。
背表紙。
最近気付きましたが、どうやら上〜下巻の3冊を並べると、作中で重要な存在である「月ロケット」の絵ができあがるようです。
帯を外し、見通しが良くなった表表紙。
裏表紙の紅魔館メンバーもそうですが、「東方Project」の登場キャラクターの独特な衣装デザインは、やはり魅力的です。
裏表紙のほうは、帯の下には何もありませんでした。
背表紙では、帯の部分は色が変わっただけで、記載の内容(原作者名・漫画家名・出版社など)は同じ。
ちなみに表紙カバーの下は、モノクロ2色でカバーと同じ絵柄です。
この上巻には、原作者・ZUN氏製作の楽曲を収録したCDが付属しています。
収録曲は、
- 妖怪宇宙旅行
- 綿月のスペルカード〜Lunatic Blue
- 呑んべぇのレムリア(Retro ver)
の3曲。
CD自体は、コミック表紙の霊夢のイラストが載ったピクチャーレーベルとなっていて、ちょっと高級感があります。
楽曲は正に「東方」というイメージの作品で(ゲームとの違和感が無い)、「中巻」を読むときなど、気分が結構盛り上がりました。
またコミック巻末には、ZUN氏による楽曲の解説も掲載されています。
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本巻を読んで最も印象的だったのは、「東方Project」作品の舞台である「幻想郷」は、「外の世界」(通常の現実世界)とは大きく異なる論理を持っている、ということです。
最もその点を感じたのは、魔法使いのパチュリーが「月に行くためのロケット」を製作する過程で、「幻想入り」した外の世界のロケットの資料を見て、(物理的・科学的な理論ではなく)「月に行くためのロケットは3段構成」という点に強い意味を見出した場面です。
(※外の世界で忘れ去られたものは幻想郷に集まってくる(「幻想入り」する)、という設定)
これは、
- 「幻想郷」と「外の世界」を強力に分かつ「博麗大結界」は、「幻想」と「非幻想」という論理的な結界である(東方求聞史紀p114)
- 妖怪(※魔法使い含む)は、より精神的な存在である
(物理的なダメージよりも、精神的なダメージに弱い)
- 魔法の独特な論理
・・・といった設定とも関係していると思いますが、私がこれまで触れてきた作品には無かったタイプの、非常にユニークな世界観です。
私は幸いにも?作品内の論理に対して、1から10まで納得できるような整合性は求めないタイプなので、この作品を受け入れることに特に抵抗はありませんでしたが、人によっては好き嫌いが分かれるかもしれません。
ストーリーやキャラクターの面では
- 八雲紫(やくもゆかり)
- 八意永琳(やごころえいりん)
- 西行寺幽々子(さいぎょうじゆゆこ)
といった、長く生きているキャラクターたちの老獪さ(腹に一物持っている感じ)が、なかなか強烈でした。
台詞回し自体も、各キャラクターの本音がズバッと表現されているわけではないので、私などは(自分なりの理解ができるまで)何回も読んでしまいます。
・・・もっとも、本来は深刻なストーリーになってもおかしくないはずなのに、どこかゆるく暢気な話となっているのは、「東方」ならでは、ということかもしれません。
また、マンガを書いている「秋★枝(あきえだ)」氏の描くキャラクターは、「東方」のキャラクターの独特な衣装などが上手く表現されており(紡錘形?のシルエットのスカート等)、非常に魅力的でした。
個人的には特に、霧雨魔理沙(きりさめまりさ)が博麗神社で、賽銭箱に座って霊夢と話しているときの、栗を乗っけているスカートの布の感じが、何故か強く印象に残っています。
・・・と書きつつ本巻で最も印象的だったのは、紅魔館のメイド長「十六夜咲夜」の存在感でした。
咲夜さんが居なかったら、紅魔館は一体どうなってしまうのだろうか?
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