2011年12月にちょっと思い立って、それまで数えるほどしか動かしていなかった東芝製ノートPC「DynaBook Satellite 1860 SA180P/5」(中古品)を久しぶりに起動してみたところ、OSが立ち上がらず、黒い画面に「HDD PASSWORD =」と、設定した覚えの無いパスワード入力を要求する表示が現れました。
具体的には、「電源スイッチを押した後にHDDが回転する音がしばらくするが、その後に止まる」のを3回繰り返した後に「HDD PASSWORD =」の画面が表示され、パスワード入力を3回間違うと電源が自動的にオフになってしまう、という状態。
パスワードにそれらしい単語(dynabookやsatellite等)を入れても全く駄目で、また何回電源を入れ直しても状況に変化はなく、溜息をつきながら別のPC(普段使っているデスクトップ)でネット検索してみたところ、東芝のDynaBookを中心に、ノートPCで「ある日突然、自動的にHDDパスワードが設定されてしまう」との事例が多く見つかりました。(例えば下記URL先)
- パソコンのメーカーの「クセ」は厄介です:Toshiba DynaBook Satellite 1860(ブログ「Eye-Report Blogs」内)
http://eye-jp.com/report/blog/204.html
- 教えて!gooで「HDDPASSWORD」を検索した結果
- HDD Password=と表示されてWindowsXPが起動しません。(教えて!goo)
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/519332.html
- DELL LATITUDE D505が起動しません。(BIOS画面すら(同上)
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6055549.html
- DynaBook V5で電源を入れると「HDD PASSWORD=」と出ます。いったいなんなんでしょ...(Yahoo!知恵袋)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1239580792
これらのページを読んで、どうやらハードディスク自体に(何故だか知らないが)パスワードがかかってしまっており、そのパスワードが分からなければどうしようもない(HDD交換以外に無い)、という状態だと判断しました。
その後、何とか対処法は無いか、と下記サイトも見てみましたが、
- HDDパスワードロック解除
http://homepage3.nifty.com/3gatudo/hddlock.htm
- パソコンテクニック
http://pcpowerup.fc2web.com/
これらに書かれている方法は、私にはハードルが高いので断念。
(楽天市場「ベストリンク」)
とはいえ予備のPCが無い状態は避けたいので、とりあえず使えるようにするためにHDD交換を検討してみよう、と考え、昔別のノートPCの交換用HDDを買ったことがある楽天市場のショップ「ベストリンク」を見てみました。
すると上手い具合に、「DynaBook Satellite 1860 SA180P/5」に適合するというHDDが販売されているのを発見。
具体的には
の2種類が販売されており、40GBの容量差にも関わらず価格は300円しか違わないので、今回は120GBのほうを購入することにしました。
ただ、肝心の「HDDパスワードがかかった原因」が全く分からないので、「HDDを交換しリカバリしても、また突然同じ状態が起こる可能性があるのでは?」という不安もありましたが、他方では、流石に1万円で同等の中古ノートPCを購入するのは難しい気がしたので、賭けと勉強の意味も兼ねて、HDD交換を行うことにしたものです。
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・・・ということで2011年12月半ば頃に注文し、その3日後に商品が到着しました。
(私は北海道在住であり、雪が降る時期なので、3日でも迅速な発送である)
本命の「UHD-DB1812H」のパッケージ。
箱や中身に、破損などは全く生じていませんでした。
同梱の納品書は、このようなものでした。
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「UHD-DB1812H」のパッケージは、白い段ボールの表面にラベルが貼ってある、非常にシンプルなものです。
おおよそのサイズは、幅24cm×奥行17cm×厚さ5cmというところです。
ちなみに、販売ページ記載の主な製品仕様は、
- 型番:UHD-DB1812H
- ディスク容量:120GB
- 平均待ち時間:5.5ms
- ディスク回転数:5,400RPM
- 消費電力:2.5W(R/W時)
- 電源:DC5V±5%
- 重量:98g
- 外形寸法:幅70mm×奥行100mm×高さ9.5mm
- 付属品:取扱説明書、保証書(1年間有効)
等というものです。
蓋を開けると、まず説明書が入っています。
この説明書をよけると、板状のスポンジが入っており、更にそれをよけるとHDD本体が現れます。
スポンジは当然箱の底(HDDの下側)にも入っており、精密機械であるだけにしっかりと保護されています。
説明書の表紙。
2つ折の紙にモノクロ印刷されたもので、箱と同じくシンプルですが、字の大きさなどは読みやすいものとなっています。
説明書の見開き部分。
交換の手順が分かりやすく解説されています。
またHDD交換後のセットアップは、PCの説明書のリカバリー手順をそのまま行えば済む、というのも、簡単で助かります。(その簡単さが、購入を決めた理由の一つ)
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本命のHDD本体は、静電防止(と思われる)のビニール袋に入っていました。
写真でモザイクをかけているのは「S/N」とバーコードで、意味があるかは正直分かりませんが、念のために隠しています。
袋から出したHDDの表?側。
ラベルの内容は、私には正直チンプンカンプンですが、生産についてはタイの「Hitachi Global Storage Technologies」との記載がみられます。
本製品の販売ページには「HDD本体は大手メーカのOEM製品なので性能、品質ともに一級品です」と書かれていますが、このラベルの記載内容がその裏づけになっている、ということでしょうか。
ひっくり返した裏?側。
基板などが見えますが、やはり私には詳しいことは全く分かりません。
斜め方向から見たところ。
側面には、ノートPC本体に組み込むための「フレーム」を留めるためのネジ穴が、左右各2ヶ所(計4ヶ所)設けられています。
反対側。
(ラベルの向きから見て)上側に、PC本体との接続用の端子があります。
端子部分のアップ。
細い金属端子が多数出ています。
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いよいよ、ノートPCのHDDとの交換を行います。
・・・その前にまず、(念のために)もう一度電源を入れてみましたが、
やはりHDDの回転・停止を3回繰り返した後、「HDD PASSWORD」の入力画面が表示されてしまいます。
パスワードは10文字までですが、適当な文字列(「DynaBook 」等)を入れても、どうにもなりません。
ということで元のHDDの復活は諦め、予定通り交換することにします。
電源を落とす前に、光学ドライブを開け、PCのリカバリ用ディスクの1枚目をセットしました。
これは、マニュアル掲載のリカバリ手順に従ったものです。
(PC本体の電源が入っていないと光学ドライブの蓋が開かないので、先にセットしておく必要がある)
パスワードの入力を3回失敗して電源が切れたら、PC本体を裏返し、バッテリーを外します。
そして、HDD収納部分のカバーのネジを外します。
実は今回の作業で使用しているドライバーは、先端に磁気があるもので、本来はこのような作業に用いてはいけないと思いますが、他のドライバーが手元に無かったので使ってしまったものです。
結果としては、交換後の動作・使用に特に異常は無いので良かったですが、機器の保護を考えると、反省しなければなりません。
ネジを外し、カバーを外したところ。
白っぽくてネジ止めされているのが、HDDと組み合わされているフレームです。
また、その手前側に出ている薄いベロ(柔らかいプラスチック?製)は、HDDを引き出すための取っ手になっています。
HDDのフレームのネジも外し、
ベロを引っ張ってHDDを引き出します。
・・・しかし、これが予想外に固く、ベロを真っ直ぐ引っ張っただけでは動く気配がありませんでした。
(かと言ってあまり力を入れると、引っ張った感触的にベロが千切れるのでは、と心配になった)
そこで、ちょっと左右に交互に動かしながら引っ張っていくと、少しづつHDDが手前に引き出され、無事に外すことができました。
引き出した内蔵HDD(フレームが付いた状態)。
HDDのフレームを外すため、4ヶ所のネジを外します。
HDDとフレームを分離したところ。
フレームはスチール製のようです。
新しいHDD(購入した「UHD-DB1812H」、右側)を組み込む前に、元のHDD(左側)と並べて、外観を比較してみました。
基本的なサイズは勿論ほぼ同じですが、細部の形状はやはり異なっています。
裏側の比較。
元のHDD(左側)には「TOSHIBA」の記載がみられます。
端子部分を比較。
ピン自体(数など)はともかく、ピンの外側の黒いプラスチック部分は、両者でかなり形状が異なっています。
最初に比べてみたときは「これで新しいHDDがちゃんと入るのだろうか?」とちょっと不安になりましたが、実際には何の問題も無く入りました。
新しいHDDのほうに、フレームを取り付けます。
一瞬、HDDの表裏の向きがどちらだったか分からなくなったので、しっかり覚えておくことが大切と思われます。
(このときはデジカメの撮影写真をチェックできたので助かった
また写真では、不安定な体制で右手だけを使っていますが、これは撮影の都合によるもので、実際にはちゃんと両手を使って作業しています。
フレームを付けたら、HDDをPC本体に差し込みます。
奥まで差し込んだ状態。
抜くときほどの固さは無く、しっかり奥まで簡単に差し込むことができました。
後は、元のHDDを外したときと逆の手順で、ネジやカバー、バッテリーを取り付けていけば、交換作業は完了です。
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HDDの交換が終わったので、PCのリカバリディスクを使って再セットアップを行います。
先述の通りディスクは既に本体ドライブに入れてあるので、電源を入れるとリカバリが開始されます。
・・・が、このPCは長期間(多分半年ぐらい)起動していなかったので、マザーボードの充電池が放電してしまっていたようで、まず「CMOS云々」の表示が出てBIOSが立ち上がりました。
特に設定をいじる必要はありませんでしたが、念のためパスワードの欄が「NOT REGISTERED」になっていることを確認して、BIOSを終了します。
(こちらは今回のトラブルの元であるHDDのパスワードではなく、BIOSのパスワードではありますが)
BIOS終了後は短時間、このような画面が表示されます。
そして「初期インストールソフトウェアの復元」ウィンドウが現れ、選択肢が3つ示されます。
交換したHDDの付属マニュアルでは、ここで「パーティションサイズを指定して復元」(ウィンドウでは3番目)を選択するように指定されていますが、私は良くマニュアルをチェックしていなかったので、1番目(購入時の状態に復元)を選んでしまいました。
しかし何故か、リカバリ完了後の使用で、特に動作や設定の異常は起こっていません。(この辺はどういうことなのか、良く分からない)
メニューを選択すると、このように既存データが削除される旨の確認画面が表示されます。
新品のHDDなので、勿論「はい」をクリック。
すると、リカバリの経過を示す画面が表示されます。
この「DynaBook Satellite 1860 SA180P/5」のリカバリディスクは3枚組で、リカバリ中は番号順にセットしていくことになります。
写真は1枚目が終わり、2枚目のセットを要求されているところ。
そして2枚目が終了し、残る1枚をセットします。
リカバリ終了時の画面。
正確には確認していませんが、所要時間は10分程度と、非常に短かったので驚いた記憶があります。
ここで何かキーを押すと再起動がかかります。
無事にWindowsXPが起動中。
そしてセットアップ画面に到達。
この後セットアップも、正規OSの確認作業を飛ばした(このPCは無線LANを本体に搭載しておらず、初期状態ではネットに接続できないため)以外は問題無く進められ、無事にPCを使用できる状態になりました。(ほっと一安心)
・・・ちなみにPCのマニュアルでは、リカバリを行う際は拡張メモリ等は外すように、と書かれていますが、今回は横着して拡張したメモリのままでリカバリを行いました。
作業後は当ページの作成時点(2011/12/26)まで、ほぼ毎日このPCを起動してネット閲覧などを行っていますが、特に動作上の異常などは見受けられません。
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起動後に、「マイ コンピュータ」で状態を確認してみました。
交換したHDDは「S3A1214D003」と表示されています。
HDDのアイコンを右クリックしてプロパティを表示。
容量も、ちゃんと111GBと認識されているのが確認できます。
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(楽天市場「ベストリンク」)
その後、ロジテックの無線LANアダプタ「LAN-WN11/U2DS」のドライバをインストールしてネット接続できるようにし、ウイルス対策ソフト(avast!)をダウンロードして入れ、主に
といった用途で使用していますが、当ページの作成時点(作業から約10日後)では、全く問題・異常は生じていません。
このPCは、画面やキーボード、スライドパッド等は非常に良い状態なので、約1万円の追加出費となったものの、(セットアップも含めて)簡単な作業でまた使用可能になったことには、単純に嬉しいです。
(しかも、HDDの容量が一気に前の3倍になった)
・・・ただ最初にも書きましたが、今後また、いきなりHDDに独りでにパスワードロックがかかることが無いか、という不安もあるので、様子を見ながらも頻繁に使うようにしたい、と思っています。
(東芝製のHDDでは無いので、ロックがかからないことを願いたいところ)
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