2009年9月に楽天市場でバリカンを探したところ、あるショップが楽天オークションに即決価格1,622円(送料・税込みで2,543円)で「コードレスWASHABLEバリカン」を出品しており、価格的にまたと無いチャンスと考え購入。
ただし実際に使ってみると、バリカンとしての機能的に大きな難がある、と感じざるを得ませんでした。
そのため本レビューの内容も、最終的には批判的なものになるのでご注意ください。
注文商品は紙袋に梱包されていました。
梱包は意外に大きく、持ち応えがあるものでした。
開けてみると、商品パッケージは緩衝材(プチプチ)に包まれ、しっかり保護されていました。
梱包には商品の他に、
- 販売ショップの注意書き
- 保証書添付用のハンコが押されたシール(※写真ではモザイク)
が入っており、このあたりはショップでの通常購入と全く同じでした。
商品パッケージの前面。
箱の窓からは中のセット内容が見え、最初見た際には、価格に対して破格の充実振りだと感じました。
ただし後述しますが、細かい部分で粗が多いです。
パッケージの裏面には、セット内容の写真と、商品の主な特徴が記載されています。
ちなみに販売企業は「マクロス」社とのことで、検索してみるとウェブサイト(下記URL先)もありました。
商品名はパッケージ前面の左上にも小さく記載されていますが、「Caldeie(カルデイエ)」とのことです。
- 株式会社マクロス│国内外の家電・雑貨の輸入から販売を手がけています
http://www.macros.ne.jp/
- コードレスウォッシャブルバリカン【カルデイエ】│理美容(メンズ用品)│株式会社マクロス
http://www.macros.ne.jp/catalogue/men/washablebrikan.html
パッケージの蓋部分。
パッケージ側面。
このバリカンはヘッド部分のみが水洗い可能とのことで、その特徴のアピールが伺えます。
ただし私は、水洗いは実際に行ったことがありません。
箱から中身を取り出してみました。
バリカン本体やアタッチメント、その他の付属品は全て、白くて薄いプラスチック製のケースに嵌っており、その上に透明プラスチックのカバーが嵌る形式です。
この白いプラケースは肉が薄くふにゃふにゃで、安っぽさを感じます。
またケース下のスペースには、説明書などの添付書類が入っています。
セット内容を取り出して並べたところ。
油やブラシ、ACアダプターは勿論、鋏や櫛、クレイドル(台座)もついており、かなり充実しています。
また、ちょっと見た限りでは、作りにも安っぽさをあまり感じません。
ちなみに、当ページの掲載写真は全体として青っぽくなっていますが、これは撮影環境の都合(時間帯や日照)によるもので、実際の品はもっと白いです。
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説明書は4つ折の紙で、表側では取扱いの注意事項やセット内容、またメンテナンス方法などが解説されています。
この手の商品では珍しく、日本語の記述に違和感(不自然な点)がありませんでした。
裏側では用途に応じた使い方(カット方法)が解説されており、予想外に内容が充実しています。
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これはバリカン本体の電源スイッチ部分で、上にスライドさせるとオン、下(写真の状態)だとオフになります。
スイッチは表面がゴムであり、また窪みもが設けられていて、親指での操作で滑りにくいよう配慮されています。
ヘッド部分には「量調節切替」機能が付いており、スライドスイッチを左右に動かすと、刃の上に機械的に「櫛」が覆い被さるようになっています。
これは髪の「長さを揃える」場合の設定で、「櫛」が完全に引っ込んだ状態です。
これは中間の状態。
そしてこれは完全に出した状態で、髪の量を減らす場合に使用するとのことです。
ただしこのバリカンは、そもそも刃のカット能力自体に大きな難点がある(後述)ため、私はこの切り替え機能の効果を感じたことはありません。
バリカン裏側の、長さ調節用アタッチメントを取り付ける部分。
長さ選択のための数字表記や、アタッチメントのストッパー用の溝が設けられています。
ヘッドの裏側部分。
刃の基部(青く縦溝が設けられている部分)は、中に詰まった毛の除去などを行えるよう、簡単に取り外しが可能になっており、この点は一般的なバリカンと同じと思われます。
バリカン本体を側面から見たところ。
曲面の形状はなかなか持ちやすく、使っていても手・指が痛くなりません。
ちなみに説明書によると、本体サイズは幅約5cm・厚さ約4cm・長さ約20cm(アタッチメント大取り付け時)、重量は約160g(アタッチメント大取り付け時)とのことです。
本体下端の充電プラグ。
付属のACアダプターを直接接続できるのは勿論、クレイドルを介しての充電も可能になっています。
ACアダプターのコード長さは約180cmあり、本体に繋げたまま使っても、特に支障は感じませんでした。
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長さ調節用のアタッチメントは、この製品には「大」「小」の2種類が付属しています。
(写真左が「大」、右が「小」)
「大」では18〜30mmまで、3mm刻み・5段階の選択が可能。
アタッチメントの素材は弾力が有るプラスチック製で、長さ調節を行う場合は、写真の部分を押してストッパーを外した状態で、任意の位置までスライドさせます。
カット長さ最大だとこの状態。
ただし、このアタッチメントは材質が柔らかいためか、ちょっと力が加わるとすぐ外れてしまうので、実際に髪を刈る場合には、力の加減に注意が必要です。
こちらは「小」のアタッチメントをつけたところ。
「小」の長さ調節範囲は、3〜15mmの3mm刻み・5段階です。
「小」で最も長い設定では、この状態になります。
斜めから見たところ。
アタッチメントの半透明さが判りやすいです。
ただ私は、刃の切れ味自体の難のため、これまで最も短い設定(3mm、アタッチメント先端と刃が最も近い)でしか使用していません。
というより、それ以外ではまともに切れませんでした。
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付属のクレイドルは、バリカン本体と同様に丸みを帯びたデザインで、作りもなかなかしっかりしています。
クレイドルは後部にACアダプターを接続でき、バリカン本体を立てた状態でセットして充電が行えます。
充電中は、バリカン本体のランプが赤く点灯します。
ランプが消えた状態。
ちなみに、この製品の消費電力は10W、ACアダプタの出力はDC3V・1,000mA。
内蔵バッテリーの満充電までにかかる時間は約8時間で、動作時間は無負荷状態で約30分とのことです。
ただしバリカン本体は、ACアダプターを直接繋いだ状態でも使用できます。
つまり、内蔵バッテリーによる使用と、ACアダプターによる使用の両方が可能です。
というより、このバリカンは切れ味が悪く、髪のカットに相当な時間がかかってしまう(丸刈りするだけで2時間ぐらいかかる)ので、私は常にACアダプターを繋いだ状態で使用していました。
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切れ味が異様に悪い
先述の通り、このバリカンは妙に切れ味が悪く、丸刈りをするだけでも2時間はかかってしまいます。
具体的には、バリカンを進めても髪をすんなり切断できず、髪がそのまま刃の前方に倒れてしまう場合が多い。
ただし全く切れないというわけでもなく、時間をかけて(同じ箇所を何回もなぞる等)作業すればある程度切り進めることができ、更に髪が短くなってくると、それなりにスムーズに切れるようになる、という状況でした。
そのため毎回、説明書に記載されている「総連続使用時間」の約1時間を越えて使っていましたが、機器にかかる負担が大きかったのか、ヘッド部分を掃除する際、写真のように振動側の刃を支える細い軟質プラスチック部分の片方が、付け根から折れてしまいました。
(※写真は、掃除をするために刃を立ち上げた状態。
手前側の金属製バネも外れていますが、これは刃を寝かせた後に押し込めば元に戻ります。)
もう片側の細い部分も、見たところ細かい亀裂が入りつつあるようで(根元が白っぽくなってきている)、使用後の掃除も恐る恐る行っています。
しかしこの片側のみが残った状態でも、振動部分が多少ぶれるようになったものの、切れ味自体は殆ど変わっていない(良くはならないが悪くもなっていない)という、良く分からない状況です。
結局、このバリカンの切れ味の悪さの原因がどこにあるのか(刃自体がナマクラなのか、それとも振動側と固定側のすりあわせが悪いのか)は、現時点では判別できないままです。
ちなみにこのバリカンを使い始めたしばらく後に、私の家にあった古いバリカン(パナソニック製、20年以上前のもの)を使ってみたところ、比較にならないぐらいスムーズに刈ることができ(作業時間は1/4〜1/5ぐらい)、思わぬかたちで有名メーカー製品の品質の高さを痛感させられました。
付属の鋏に難点
もう一つ、これはバリカン本体ではないのでそれほど重要では無いとは思いますが、品質の荒い部分として、付属の鋏の使い勝手の悪さがあります。
具体的には、鋏を閉じたとき、左右の取っ手部分のストッパー(出っ張り)がきちんと合わずに食い違う状態になってしまいます。
そして、更に閉じると更に食い違いが進んでしまい、使っていてかなり具合が悪いです。
上から見ても、ストッパー部分がずれていることがはっきり判ります。
ここからちょっと力を入れて閉じると、このように更に食い込んでしまいます。
ただし、刃のほうの切れ味と噛み合わせ自体には全く問題が無いので、十分に気をつければ、とりあえず鋏としては十分に使用できそうです。
中国製Androidタブレット端末(メーカー不明)もそうですが、見かけは上手く形になってはいるものの、このように実用に関わる細かい部分が荒いところが、製造メーカー名が前面に出されていない中国製品の、現状における致命的な難点だと感じます。
そしてこれらの難点が積み重なった場合の、製品全体における品質・信頼性の低下の度合いは、非常に大きいと思います。
1年ちょっとで使用不能に
管理人がこのバリカンの使用を実際に始めたのは、事情により購入(2009年9月)から数ヶ月経った同年末頃で、それから2〜3ヶ月に1回のペースで2011年の春まで使用してきましたが、最後の使用でとうとう本体自体が動かなくなってしまいました。(スイッチを入れてもモーターが回らない)
先述の通り、刃の切れ味が悪いために1回の使用時間がかなり長くなっていたので、そのためにモーターに大きな負担がかかっていたのかもしれませんが、それでもヘッド内部のパーツの破損に加え、10回に満たない使用で動かなくなってしまったというのは、かなりがっかりしました。
本体を分解してみれば、不具合箇所が分かるかもしれませんが、面倒くさいので現在(2011年6月)のところはまだ行っていません。
考えてみれば、2,000円以下の価格(送料除く)でこの製品内容は破格すぎるものであり、それには相応の事情が有るというのが、道理かもしれません。
今度バリカンを購入するときは、値段が多少高くても、品質が良くて長く使えそうなメーカー製品を買おう、と思いました。
※ただし、私が本製品を購入したのは2009年9月であり、当ページの作成時点(2011年6月9日)では改良されている可能性もあります。
そのため当ページの内容は、現行の製品を評価するものでは無いことを、ご注意願いたいと思います。
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