2009年4月末頃に、ペリカン万年筆「レベル L65」の価格比較ページを作成しようと、楽天市場で検索したところ、在庫処分で定価の約半額(しかもインクボトルとのセット品)で販売されているのを見つけました。
以前からペリカンの万年筆を使ってみたいと思っており、またインク注入方式が独特な「レベル」シリーズに興味を持っていたので、「これはチャンス」と思い、購入することにしました。
今回は、「文具・事務用品ウェブショップタテ」さんで購入。
商品は、佐川急便で、「貴重品」扱いで送られてきました。
商品が入った箱を取り出し。
箱はプチプチ(緩衝材)で包まれていました。
緩衝材を取ったところ。
万年筆のメーカーや種類、本体カラー、ペン先の種類が印字されたラベルが貼られていました。
箱の中には、商品のパッケージがこのように、対角線に入る形で入れられていました。
(※写真は、一度開封したものを入れ直した状態)
この入れ方なら、箱の外から万が一衝撃が加わっても、商品に直接力が加わる可能性が、かなり低くなりそうです。
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ペリカン万年筆「レベル L65」(インクボトルセット)のパッケージ。
パッケージの表と裏。
海外製品らしく、日本語の記述は、中に入っている日本語解説書にしか見当たりません。
パッケージの下面。
バーコードのラベルも、海外っぽい雰囲気です。
早速、パッケージを開封。
下面のバーコードを剥がすのが、ちょっと勿体無い気がしたので、上のほうのセロテープを切って開けました。
商品の中身を並べたところ。
同封の縦長の紙2枚のうち、片方は、このように蛇腹状に折り畳まれた、カラーイラスト入り解説書となっています。
また、解説書は両面に印刷されています。
内容は、両面とも同じのようですが、欧州製品らしく、各面3ヶ国語・計6ヶ国の言語で、インク補充の方法などが説明されているようです。
日本語の取扱説明書。
イラストから見て、外国語の解説書と内容は同じだと思われますが、こちらはモノクロでしかも紙が小さいのが、ちょっと寂しいです。
(まあ、大きな問題ではありませんが)
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セットに入っている専用インクボトル。
色は「ロイヤルブルー」です。
また、インク注入を可能にするためと思われますが、ボトルの材質は、柔らかく弾力のあるプラスチック製となっています。
100円玉と、大きさを比較してみました。
実際に手にとってみると、想像よりもかなり大きかったので驚きました。
私の場合は、そんなに多く万年筆で筆記するわけではないので、この量のインクを使い切るのは、かなり先のこととなりそうです。
インクボトルのラベル(両面)。
色の種類の記述は、説明書と同じく、欧州の6ヶ国語で書かれているようです。
インクボトルの底面。
「50ml」等の表記が見えます。
インクボトルの蓋。
ペリカン万年筆「レベル」の大きな特徴である、「尻軸インク注入方式」のための構造が確認できます。
試してみると、インクボトルの蓋は、簡単に取ることが出来ました。
万年筆「レベル L65」は、もう生産中止になっているそうなので、購入前は「インクボトルが入手できなくなったらどうしよう?」と心配していました。
しかしこれなら、ボトルが空になった場合でも、蓋を取ってインクを補充できそうです。
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いよいよ、本命の万年筆本体を見てみます。
胴軸は黒っぽい色で透き通っており、内部の機構をある程度見ることができます。
また単なる円筒形ではなく、微妙に末端側が細く、真ん中あたりが太いという、目立たないですが複雑な形状です。
尻軸部分。
独特なインク補充方法と、密接に関わっている部分です。
キャップ部分。
面積が広く平らになっており、これも万年筆としては独特な形状だと思います。
キャップトップは、「LEVEL」の文字が浮き彫り状に形成された、シンプルなものです。
キャップを横から見たところ。
テーパー状の形状が良く判ります。
最初にショップでこの「レベル L65」の写真を見たときは、正直「マジックペンみたいで安っぽいのでは?」と思ったものです。
しかし、実際に手にとってみると、しっかりした作りとデザインであり、決してチープな感じはしません。
また、私が今回選んだ本体カラーは赤でしたが、「派手かな?」と思いきやなかなか渋く、万年筆にはこのような色も意外に合うものだと思いました。
トップが広いキャップの形状を生かし、立ててみました。
このポジションは無意味なものではなく、インク補充のときに利用することになります。
キャップを取り、万年筆を筆記状態にしたところ。
キャップは胴軸の後ろ側に、しっかり固定することが出来ます。
(ちょっと弾力があって、きゅっと嵌る感じ)
また、胴軸や持ち手の部分の太さ・形状は、手の大きい私には、非常に持ちやすいものです。
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「レベル L65」のペン先を、3方向から撮影してみました。
表側のモールドは非常にシンプルですが、ペン先は大きく、堅牢さを感じます。
ペン先の、正面からの撮影を試みました。
(見やすいものになりませんでしたが・・・)
私が10年以上前に購入した、パイロット製の万年筆と比較。
といっても、パイロット製のほうも高価なものではなく、当時2000円程度で購入したもの(※定価は3000円)です。
商品名は当時確認していませんでしたが、後から調べてみたところ、恐らく「ニューヤングレックス」と思われます。
これは安いですが、初めて自分で購入した(しかも、今回の「レベル L65」購入までは唯一所有の)万年筆であり、また黒字に金色のアクセントというデザインも気に入っていて、少なからず思い入れがあるものです。
ペリカン万年筆「レベル L65」と、パイロット万年筆「ニューヤングレックス」のペン先を、並べて撮影してみました。
「レベル L65」の方が、万年筆全体の大きさと同じく、ペン先も大きめです。
また、両方ともスチール製のペン先ですが、この金属の光沢は見ていて飽きません。
ペン先の輝きが、万年筆の大きな魅力の一つではないか?と、写真を撮影してみて、改めて感じたところです。
ペン先を並べて、正面から撮影してみました。
(またぼやけてしまいましたが)
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いよいよインク注入を試みます。
がその前に、各部の機構を見てみます。
まず尻軸部分は、外側が180度の範囲で回転するようになっており、またその回転に応じて、中の部分が凹んだり、元の位置に戻ったりします。
胴軸後部(尻軸付近)を、横から見たところ。
写真ではちょっと見難いですが、尻軸外側の回転に応じ、外部の変化と同様に、内部に出っ張る部分があります。
メインタンク部分の変化を撮影。
中の仕切りより下の、スプリングがあるほうの空間が「メインタンク」で、仕切りより上の大きい空間が「予備タンク」です。
尻軸外側を回転させることで、メインタンク内部のスプリングが縮んでいるのが見て取れます。
・・・とひとしきり動かしたところで、専用ボトルからのインク注入を試みます。
インクボトルの蓋部分を、「レベル L65」の尻軸部分に接続します。
インクボトル蓋の金属製の極細パイプを、万年筆尻軸中央の穴に差し込むかたちになります。
そしてしっかりと差し込んだ後、インクボトルの腹を指で挟むように押して、インクを万年筆の予備タンクに注入します。
ちなみに写真では、(私一人で撮影しているので)ボトルインクと万年筆を片手で持っていますが、実際にインクを補充するときには、勿論両手を使ったほうが良いです。
右写真の一番左は、インクを予備タンクに注入している途中の状態で、インクが少し入っています。
真ん中の写真は、予備タンクをインクで満タンにした状態。
一番右は、予備タンクのインクをメインタンクに落とすため、尻軸外側を所定のポジションに回転させた(尻軸の「△」印と、胴軸の「○」印を合わせた)状態です。
ボトルインクからのインク注入時、また筆記時には、尻軸の「○」印と胴軸の「○」印を合わせます。
メインタンクにインクを補充しているところ。
一番左は、まだ予備タンクにのみインクが入っている状態。
真ん中は、メインタンクに十分インクが入った状態です。
一番右は、予備タンク上部の、インクの量の変化を写したものです。
メインタンクに入った分だけ、予備タンクのインクが減っています。
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インクも補充したので、早速試し書きを行なってみました。
とりあえず、この万年筆「レベル L65」と、先述のパイロット万年筆「ニューヤングレックス」の両方で字を書いてみました。
(下手な字で勘弁)
両方ともペン先(ニブ)は「F」ですが、私が書いてみた限りでは、両方とも線の太さは同じぐらいで、海外製だからといって、同じ「F」でも「レベル L65」の方が線が太い、ということは無いように感じられます。
また購入した当初、ちょこちょこっとメモ書きをする程度では、両方の万年筆での書き味の違いは感じていませんでした。
しかし、ノート半ページぐらいにびっしり文字を書く機会があり、そのときに「レベル L65」のほうは、「ニューヤングレックス」よりもペン先が紙の上を滑らかに動くと感じました。
いっぽう「ニューヤングレックス」のほうは、「レベル L65」に比べると、ペン先が紙に刺さるというか、カリカリする感触がありました。
「レベル L65」での滑らかな感覚は、私は今まで味わったことが無かったので、ちょっと驚きでした。
また、この「レベル L65」は胴軸が太めで(手の大きい私には)持ちやすいこともあってか、ペンを持つ手に余計な力が入りにくく、その点でもかなり書きやすく感じます。
全体として、(ちょうど在庫処分の機会によって)約1800円でこの書き味の万年筆を購入できたことは、ラッキーだったと感じています。
後は出来るだけ長く(故障などのトラブルが起こることなく)、この万年筆「レベル L65」を使っていけることを願うところです。
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- 2009/6/2:
元のサイト「万年筆の価格を調べてみる」(http://fountainpen.iinaa.net/)に掲載。
- 2018/10/21Sun:
現在のサイトに移転。(元のサイトは閉鎖)
文章の一部を手直し。
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